プールで運動をすると

 プールで遊んだり泳いだりするのは非日常感があってとても楽しいですよね。終わった後の脱力感も不思議と疲労感ではなく満足感だ、という方は多いのではないでしょうか?ダイエットでもプールはエネルギー消費が通常よりも大きいため効率よく行うことができます。

 そんなプールでの運動=水中運動では様々な要素を取り込んでトレーニングすることができます。水中運動をより楽しめるような知識をご紹介します!

≪そもそも水中運動ってなんだろう?≫

 水中運動をする際に知っておくとよいのが“浮力・重力・抵抗”です。浮力は浮こうとする力、重力は沈もうとする力、抵抗は移動方向と逆向きに力のことです。ほかにも泳いでいるときにかかる“揚力・推進力”があります。これらの要素が組み合わさって水中運動は行われます。

 浮力は浮く力を指しますが、まずどういった状態が浮きやすいのか?水の体積を1とすると、その1よりも体積が小さければ浮こうとする力はより大きく働くのです。骨は約2.01g/㎤、筋肉は約1.06 g/㎤、脂肪は約0.94 g/㎤と水よりも小さいですね。そのため男性や骨が太く筋肉の多い方に比べて、女性や脂肪の多い方のほうが浮こうとする力が多く働くのです。「水中運動が足腰に良い」「膝に負担が少ない」というのは、浮力のおかげだったのです!

抵抗は、移動方向と逆向きに働く力を言います。水中運動では空気よりも水のほうが密度が高いためこの抵抗が約800倍にもなります。水中で移動するとき、身体が動きにくい・進みにくいと感じるのはこの抵抗によるものだったのです。しかしこの抵抗のおかげで筋肉はより盛んに活動しようとするので運動効果も陸上で行うより大きなものとなります。

他にもこれらの力が作用することによって、呼吸筋が鍛えられ心肺機能の向上や水温による体温調節機能の向上・基礎代謝の向上も期待できます。さらには抵抗によってエネルギー消費量も大きくなるため脂肪燃焼効果も期待できるんですよ!

これらの知識をもとに、今回は大きく分けて水泳・アクアビクス・水中ウォーキングをご紹介します。

≪水泳とは?≫

 水泳は上記に記した力をすべて取り入れられた運動です。水の中を泳ぐことで進むので水の流れを感じることができ気持ちよく運動できます。しかし水面に顔をつけ続けているので呼吸の制限があったり、泳ぐのにも様々な技術を必要とするので難易度が高いとも言えます。

 健康のため・自分の記録のためと様々な目的で取り組みやすい水泳は、利用者も多くまた競技人口も多いので仲間づくりにもよいでしょう。近年はオリンピックなどの大きな国際大会でも活躍する選手が多いので見ごたえがあり、スポーツ観戦も楽しめるものとなってきています。

≪アクアビクスとは?≫

 アクアビクスは水中でのリズム運動を指します。エアロビを水中で行う、というのをイメージしていくと分かりやすいのではないでしょうか?アクアビクスの利点として、下記があげられます。

  • 浮力のため、膝や腰に衝撃が少ないこと
  • 水の抵抗を利用して運動量が調節できること

水しぶきを上げながら激しく動いたり、あえて水中でしっかり抵抗を受けて行ったり、動く面を変えて抵抗を調節するなど個人でも難易度を調節しやすいので、初心者でも取り組みやすい運動です。しっかり動けたときの達成感もまた楽しめるものとなっています。

≪水中ウォーキングとは?≫

 難易度は低く、初心者向けの水中運動です。しかし足腰やヒザに問題を抱えてる方でも少ない負荷で運動ができるので、アスリートでもトレーニングの代わりに取り入れている人が多くいます。また歩き方で下半身の強化にも効果が期待できますよ。歩き方のポイントは4つです。

  • 床をしっかり踏みしめる
  • 腕を大きく振る
  • 膝を高く上げる
  • 前傾姿勢をとり水を押しのけるように進む

走ったり、横向きで歩くことでも強度や使う筋肉を変化させられるのでバリエーション多く楽しむことができます。

≪水中運動の注意点≫

 いかがでしたか?

 近年は水中運動にも様々なエクササイズが開発されており自分に合ったものを選べる楽しみも増えてきました。一度見てみるのもよいかもしれませんね。

 水中運動はすべてにおいて【水中で運動する】という特殊なものになります。準備とケアが大切なので、運動する前後の注意点もご紹介します。

  • 準備体操・ウォーミングアップをしっかり行うこと。温度の変化に体が驚いて筋肉が緊張したり呼吸が乱れたりするので、体温・筋温をしっかりあげておきましょう!けがや救急処置につながってしまいます。
  • 使った筋肉、全身はしっかりケアをしてあげましょう。水中でのクールダウン、上がってからのストレッチやマッサージをすることで筋肉のケア、陸上での運動や日常動作に影響がないようにしてあげます。

 水中運動は年齢や熟練度に関係なく楽しめる運動です。「運動したいけど、ハードなものは抵抗がある。けど運動した満足感が欲しい!!」という方にはおすすめですよ(*^▽^*)